久々!の、Fetish★Fairy:妖精の森シリーズ『カミナリ』です。
ブログ用なので速さ命ってことで、ささっと書いてます!(絵も文章も)
ご了承くださいw
(そして今回はエロい絵でなくスミマセンorz)
▼ではどうぞ~
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【カミナリ 第1話】
空は薄墨色に染まり、まるで夜のようにあたりは薄暗くなっていました。
やがて、ざあざあと雨が降り出し、分厚い雲の隙間から閃光が走ります。
ゴロゴロゴロ…ピシャーーン!!
「きゃーーっ!」
女の子が悲鳴を上げながら駆けてきました。
どこか安全な場所はないかと辺りを見回しますが、ここは人里から離れた山道です。
そのすぐ後ろから、バシャバシャと水をはねかしつつもう一つの足音がやって来ます。
今度は男の子で、どうやら二人は友達のようです。
女の子はうろたえながら言いました。
「どうしよう、どうしよう!どこかに隠れなくっちゃ!」
「無理だよ。こんなところで雷から逃げるなんてできっこない。
…せめて近くに小屋でもあったらいいんだけど…」
目を凝らしてみても、あるものといえば道沿いに生える木々くらい…。
平原よりは少しマシ、程度の場所です。
「だから今日はやめようって言ったんだ…。」
雨水をしたたらせながら、男の子はため息をつきました。
「そんなこと言ってる場合?!雷に見つかったらおへそを取られちゃうのよ?!」
女の子は自分が責められるのを避けたいのか、やけに強く言い返しました。
“おへそ”…って…子供じゃないんだから…と男の子はあきれ顔で彼女を見つめ返します。
…ゴロゴロゴロ…ピシャーーン!!
その時、再び耳をつんざくような落雷の音とともに二人の目の前で光の爆発が起こりました。
あまりの眩しさに二人は一瞬、視力を失い、身動き一つとれない状態で立ち尽くしています。

「…何?…何が起こったの?」
だんだんと目が慣れてくると、二人の前に見慣れない人影がありました。
二人の若者はぽかんと口を開けたままその人物を見つめます。
そこには、金髪ですらりとした、パンツ姿の女の人がうっすらと微笑みながら立っていました。
「ハ~イ!ご機嫌いかが? 可哀想な人間の少年少女たち。」
二人よりパッと見、いくつか年上のその女性はごくごく普通の格好をしていましたが、
たった一つだけ普通と違うところがありました。
「…角…?あなたって…まさか…!」
女の子は彼女の頭を指さして何かを言いかけますが、言葉がすらりと出てきません。
「そ。
私は“雷さま”よ?」
確かに突如不思議な現れ方をして、普通の人間には思えませんでしたが、
他にも彼女の名乗りを確信に変える事実がありました。
自分のことを“雷”と言う彼女は、この土砂降りの中まったく濡れていないのです。
気が付けば今は雨はやんでいますが、明らかにずぶ濡れの自分たちと彼女の姿の違いは不自然でした。
「フフフフッ!
驚くのも無理ないわね。
沢山いる人間に比べて、私たち雷はたったの数人なんだもん。
めったに会えることがないのも当然でしょう?」
当然、人間としては聞きたいことが山ほどありますが、
とりあえず慌てた男の子は今一番聞くべきことを言葉にしました。
「あ、あのっ!…雷が…なんで僕らの前に…?」
<つづく>
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